艦艇の防御戦闘
艦艇の防御戦闘
艦艇は、戦闘に参加する以上、攻撃を覚悟しなければならない。
そして、敵の攻撃に残存して、敵を撃滅する必要がある。
攻撃方向による分類
- 対艦防御
すなわち、艦艇の銃砲、魚雷、からの攻撃に対するもの。
銃砲に関しては、直接防ぐ手立ては無いため、早期発見によって、先に敵艦艇を撃滅する必要がある。
魚雷に関しては、回避運動、デコイによる目標欺瞞、マスカーによる音響遮蔽、などがある。
魚雷の航跡をみて射撃して撃破するというのは映画の話で、艦上から航跡を確認できた段階では命中している。
- 対空防御
すなわち、航空機やミサイルの攻撃に対するもの。
航空機に対しては、対空ミサイルによる迎撃、速射砲による迎撃。
ミサイルに対しては、対空ミサイルによる迎撃、速射砲による迎撃、チャフやフレアによる目標欺瞞、近接対空火器による射撃などで対応する。
爆撃に関しては、回避運動を行う。
- 対潜防御
すなわち、潜水艦の魚雷、からの攻撃に対するもの。
魚雷に関しては、回避運動、デコイによる目標欺瞞、マスカーによる音響遮蔽、などがある。
対潜防御の本来は、早期発見によって、先に敵潜水艦を撃滅する必要がある。
敵の攻撃の武器による分類
- 銃砲
銃砲に関しては、直接防ぐ手立ては無いため、早期発見によって、先に敵艦艇を撃滅する必要がある。
- 爆弾
航空機の爆撃に関しては、回避運動を行う。
- 対艦ミサイル
ミサイルに対しては、対空ミサイルによる迎撃、速射砲による迎撃、チャフやフレアによる目標欺瞞、近接対空火器による射撃などで対応する。
- 魚雷
魚雷に関しては、回避運動、デコイによる目標欺瞞、マスカーによる音響遮蔽、などがある。
魚雷の航跡をみて射撃して撃破するというのは映画の話で、艦上から航跡を確認できた段階では命中している。
- 機雷
船体の防御構造
船体は、水密隔壁によって区切られている。
砲撃に対しては、装甲が用いられる。
魚雷攻撃に対する水線下の舷側防御は、装甲の厚さ(重量)にも限度があり、区画を細かくするなどの対策も採られていた。
機関配置についても、被弾によって機能がすべて失われることの無いようシフト配置などが採られている。
被視認性対策
敵から発見されない対策がポイント。
古くは、迷彩塗装によって、海や沿岸に溶け込んで視認性を低くすることは古くから模索されている。
が、天候や海域など、艦艇の行動する範囲は広く、オールマイティなものは難しい。
結局、グレー一色が、もっとも汎用性が低いというのが結論で、海域によって、濃淡の選択があるようだ。
レーダーが普及した今日では、ステルス性といわれる、被発見率の低減が求められている。
すなわち、艦艇の設計によって、レーダー反射面を局限するものである。
また、塗装等によって、レーダー反射を低減する対策も採られている。
熱反射に関しては、排煙の冷却などにより、発見率の現象が図られている。
機関、推進機構によるノイズ対策として、防振ゴムや艦内の遮音性向上が図られる。
また、マスカーと呼ばれる装置により、船体を気泡で包み、音響遮蔽も行われている。
マスカー
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煙幕
煙幕を展張することによって、視認性を落とす。
機関を不完全燃焼させることによって行う。
煙幕展張
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被弾対策
魚雷防護ネット/桁
艦艇の舷側に桁を装備し、停泊中に展張して魚雷防護ネットを展張し、魚雷攻撃から船体の損傷を防ごうとするもの。
魚雷の高性能化により廃止された。
装備艦、格納状態、展張状態、防御の状況。
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デコイ
ホーミング魚雷に対して発射され、擬似推進音を発することにより、魚雷の誘導方向を誤らせるもの。
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被弾後の対策
実際に被弾した場合には、艦艇の構造上の防御力が試される。
古くは、装甲によって敵の砲弾から船体主要区画を守ったりしていた。
また、ダメージコントロールという、艦内での応急対策も重視される。
浸水を防ぎ、火災の延焼を防ぎ、被害箇所を局限することが求められる。
参考
⇒ 艦載兵器あらかると
⇒ 大砲のいろいろ
⇒ 弾火薬のいろいろ
⇒ 銃のいろいろ
⇒ 実弾と訓練用弾
⇒ 電子兵器
⇒ 電子戦装置
⇒ レーダーとECM
⇒ レーダー
⇒ 艦艇の構造
⇒ 艦艇の構造(断面)
⇒ 機関配置
⇒ 艦船の塗装
⇒ 艦船の迷彩塗装
⇒ 艦艇の防御戦闘
新規作成日:2006年11月29日/最終更新日:2006年11月29日