艦船の塗装

船体の塗装

商船は、以前は汚れの目立たない黒が多かったが、最近では会社ごとのデザインによるカラーが多くなっている。
Dcim0639/DSC_8493. Dsc_9408. Dcim0356/Dsc_9773. Dcim0394/Dsc_4858. Dcim0678/DSC_3962.

客船の場合は、優雅さを漂わせる白、または落ち着きある濃い色が多い。
Dcim0749/DSC_2365. Dcim0324/Dsc_5684.

砕氷船や、救難艇は、目立たせるために、赤やオレンジに塗られることが多い。
Dcim0335/Dsc_6960. Dcim0746/DSC_1991.

舷側の塗装

舷側排気方式は、僅かとはいえ排気の煤が船体を汚すため、これを目立たなくするため、黒に塗るケースもある。

p1308014. p1314031.

また、大きなスペースでもあり、社名などを記載し、広告搭とすることもある。
Dcim3761/DSC_3673. Dcim0434/Dsc_0009. Dcim0434/Dsc_0031. Dcim4091/DSC_8501.

ロゴなどを描くものもある。
Dcim3765/DSC_4056.

船名を描くものもあった。
Pict_1328s.

甲板の塗装

一般に、艦艇はグレーだが、ロシアなどは「茶褐色」に塗られている。
同じ北欧デンマークのMAERSKという船会社の船舶も、「茶褐色」に塗られている。
大地の土色をイメージしているのであろうか。
p0662001.

海上保安庁の巡視船は、緑色に塗られている。
Dcim0395/Dsc_4868. Dcim0406/Dsc_6305.

船底の塗装

一般に「赤色」なのだが、これは古来、生物がこびりつかない毒性の強い塗料が赤色であったことに起因している。
したがって、成分の結果としての「赤色」であって、赤く塗る必要があったわけではない。
近年では、動物性プランクトンに対しては「赤色」、植物性プランクトンに対しては「緑色」がより効果的であるという研究結果が出ている。
そのため、航海時間が長い船舶は「赤色」、停泊期間が長い船舶は「緑色」の塗料を使用することも多くなっている。

「赤色」
p2314013.

「緑色」
Dsc_9136. Dcim0390/Dsc_4280.

昔の艦艇の塗装

黒船と呼ばれた時代。
Dcim0365/Dsc_1093.

日清戦争当時の日本海軍の軍艦の塗装。
Pict_1202w. Pict_1203w. Pict_1204w. Pict_1198a.

日露戦争前の日本海軍の戦艦の塗装。
Pict_1188b. Pict_1188c.

日露戦争前のロシア海軍の塗装。
Pict_1210b. Pict_1209w. Pict_1211b.

日露戦争頃のロシア海軍の塗装。
Pict_1211. Pict_1209. Pict_1188r. Pict_1210.

白色艦隊と呼ばれた、アメリカ艦隊の塗装。
Pict_1233w. Pict_1188a.

今日では一般的な塗装
Pict_1188g. Pict_1198b.

艦艇の塗装

艦艇の塗装は、一般に、低視認度を目的としてグレーに塗られている。
が、国によって、その濃淡や色調は少しく異なる。

左はニュージーランドのF77 TE KAHA、右はシンガポールのL208 RESOLUTION。
共に白でも黒でも無いのだが、こうも明暗に差があると目立つ。
Dsc_1789.

イギリスなど北大西洋での行動が多い国は、霧に溶け込むために、薄い色が多い。
ロシアや、日本海軍などは、重厚さをかもし出すためか、暗めの色である。


実際の色は、実艦を見る機会があれば、確認できるのだが、これを資料として残し、再現するのは、また難しい。
写真は、露出や色温度の調整をきっちり合わせ、再現したものでなければ正確ではない。
また、塗装の現場に居合わせた機会にペンキを紙に塗ってもらって確保したこともあるが、その「資料」は純正の正しい色でも、これを複製し、公開するのはなかなか難しい。

更に、模型などで再現しようとしても、なかなかうまく行かない。
模型の場合は、実物は太陽光、模型は室内光で見ている差もあるし、物理的サイズの差からくる、認識性の違いにより、実際の色と、それらしく見える色も異なる。


以下に、ある程度の設定基準による「再現表示」を試みてみよう。
もっとも、見る側で、正しいモニタ調整や、プリントの再現が行えることが前提となるのだが。



参考
色再現の模索
艦船の塗装
ファンネルマーク
船体塗装の色々
艦船の迷彩塗装




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新規作成日:2004年2月17日/最終更新日:2008年12月7日