CG47 TICONDEROGA 型
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イージス巡洋艦 Guided Missile Cruiser
スプールアンス級駆逐艦をベースに、イージスシステムを搭載するミサイル艦として設計建造された。当初、スプールアンス級駆逐艦のミサイル艦化という点から、ミサイル駆逐艦として計画されたが、搭載するイージスシステムの能力から、当時の巡洋艦よりも強力な駆逐艦となることから、ミサイル巡洋艦とされた。
イージスシステムを搭載する艦は、本級の他は、アーレイバーク級駆逐艦と、日本のこんごう型のみである。
主兵器のスタンダードミサイルは、初期の艦では、在来の連装発射機であったが、垂直発射機構VLS(Vertical Launch System)とされ、艦の前後に、埋め込まれて装備されている。使用する誘導弾は、スタンダードSM2-ERである。
イージスシステムは、本級で初めて搭載された、画期的艦隊防空システムで、フエーズドアレイレーダーと、高性能情報処理システムにより、同時多数の航空攻撃に対して、艦隊防空を果たす事が出来る。
フエーズドアレイレーダーは、かつての原子力空母エンタープライズや、原子力巡洋艦ロングビーチで採用されたレーダーで、レーダー板自体は固定装備されていて回転せず、電子的走査により、電波の進行方向を操作制御して、瞬時に天空を走査する、画期的レーダーである。艦橋構造物と、上部構造物の後部の周囲に4枚設置されているが、各々90度の範囲を担当し、4枚で全周をカバーしている。性能上、各90度を超える範囲もカバーできる。エンタープライズなどに搭載されたものに比べて、遥かに高性能小型化されている。
一般のレーダーは、1回転するのに、1秒前後必要で、レーダー板が裏を向いている時間は、目標の監視が出来ていないが、フエーズドアレイレーダーでは、常に目標の監視を継続する事が出来る。
搭載される対空ミサイルの誘導方式も、発射から到達までを艦から制御せず、慣性航法と、時分割的な指令で誘導され、為に、誘導装置の個数=飛行中のミサイルの数 と言う、従来の制約から脱皮している。従って、ランチャーも、従来の方式では性能を引き出せない為、垂直発射機構VLS(Vertical Launch System)とされ、ほぼ同時に何発もの発射を可能としている。
また、システムの設計上では、他艦搭載のランチャーから発射されたミサイルをも誘導する事が可能となっている。
中距離弾道弾の脅威に対抗する為、イージスシステムにも、この対応能力の付与が研究実験されている。
既にMK26 ミサイル発射機装備艦より退役が始まっている。
CGは、Guided Missile Cruiser の略号で、ミサイル巡洋艦の意。
建造所: Ingalls Shipbuilding、Bath Iron Works
主機:ガスタービン 4基 2軸,80,000shp total.
長さ: 567 feet (172.8m)
幅: 55 feet (16.8m)
排水量: 9,600t(9,754.06 metrictons) 満載
速力: 30kt+
航空機: SH-60 Sea Hawk (LAMPSV)×2 (CG 49以降), SH-2 Seasprite (LAMPS)×2 (CG 47-48)
建造費: 約$1,000,000,000.
乗員: 24(士官),340(下士官・兵)
主要兵装: MK26 ミサイル発射機 (CG 47 〜 CG 51) スタンダードミサイル (MR) または MK41 垂直発射機構 (CG 52 〜 CG 73) スタンダードミサイル (MR), 垂直発射 ASROC (VLA), トマホーク ASM/LAM, ハープーン4連装発射機×2, 3連装魚雷発射管(Mk46魚雷)×2, Mk45 5インチ54口径軽量速射砲×2, 20mmCIWS×2
在籍同型艦 27隻 (建造同型艦総数 27隻)
就役日: 22 January 1983 (USS Ticonderoga)
同型艦
参考
防空システム イージスへの系譜
イージス防空システム
弾道ミサイル防衛
2006.6テポドンへの対応
新規作成日:2001年12月22日/最終更新日:2005年5月6日