Jpn 船艇塗装の変遷 MSA



本項は 「海上保安庁パーフェクトガイド」掲載用として整理したものをもとに掲載しており、更新なき場合、2005年3月のデータにもとずいています。
また、掲載出版内容と異なる部分も多々あります。
新規作成日:2005年5月7日以前を最終更新日としているものは、準備資料のまま内容の更新がないことを示しています。


船艇塗装の変遷

海上保安庁の船舶の塗装は、これまで、大きく2種類に分けられていた。
ひとつは、巡視船(PLH,PL,PM,PS)、測量船(HL)、交通業務用船舶(LL)など、主として大型船舶(概ね100トンを超える船)で、船体と上部構造物を白、甲板を緑に塗装している。
一方、巡視艇(PC,CL)、測量船(HM,HS)、交通業務用船舶(LM,LS)小型船舶(概ね100トン以下の船)は、船体をグレー、上部構造物を白、甲板をグレーに塗装していた。
また、中型船舶(概ね200トン以下の船)以下は、上部構造物に「海上保安庁」の文字を記載している。
例外として、監視取締艇は白色、油防除艇、油回収艇はオレンジ色、教育業務用実習艇は赤色に塗装されている。
初代南極観測船として活躍したPL107「そうや」は、当時、南極の氷海で目立つように、オレンジ色に塗られていた。

海上保安庁創設時はまだ平和条約締結前の占領下で平和条約締結までは、船体舷側中央に、スカジャップナンバーと呼ばれる、識別番号を表記していた。
巡視船初代「むろと」は、M131など、船名のイニシャルと一連番号を表記していた。
この表記は、平和条約締結により、占領下から解放されたため、廃止されている。

昭和59年には、それまで舷側はベタ塗りのみであったが、船首部にS字マークが記載されることになった。
S字マークは、海上保安庁の使命である、Safety, Search and Rescue, Surveyと、モットーであるSpeed, Smart, Smile, Serviceの、それぞれの頭文字である"S"を図案化したもので、船艇や航空機に紺色で描かれている。

平成12年4月1日より、海上保安庁の英文名が、Japan Coast Guardに変更されたのにあわせて、船首にJapan Coast Guard のロゴマークも記載されるようになった。

最近では、航路哨戒にあたる巡視艇(PC,CL)や、小型船舶(概ね100トン以下の船)の船体も、視認性向上のため、白に塗装する例が多くなっている。

船首に記載されている、記号番号も、白い船体のものは黒色で、グレーの船体のものは白色で記載されていたが、船首にJapan Coast Guard のロゴマークの表記にあわせて、白い船体のものは紺色とされている。

尚、塗装の変更は、企業の看板などのように一斉に変更されるわけではなく、船体検査などの折にあわせて行われるため、数年にわたって過渡期が存在する。


PLH107「宗谷」(現在、船の科学館で展示)、船体はオレンジ色に塗られている。
Dcim0414/Dsc_7233.

就役当時のLM101「ずいうん」、舷側は白一色である。


PL01のじま(現PL01「おき」)、S字マークがつけられている。
p0664007.

PLH31「しきしま」、S字マークとともに、Japan Coast Guardの文字が記載されている。
Dcim0959/DSC_9242. Dcim0778/DSC_6225.

PS02「さろま」、船橋下に「海上保安庁」の文字が記載されている。
Dsc_1786.

PC210「かわぎり」。船体の白色塗装化の前後を示す。
p1312017. Dcim0961/DSC_9476.

SS38「れいら」、白色に塗られている。
Dcim1118/DSC_7628.

OR01「しらさぎ」、全体がオレンジ色に塗られている。
Dsc_8839.

LL11「ほくと」、船体はグレーに塗装されており、S字マークが入れられている。比較的大型船であるにもかかわらず、白色塗装でないのは、作業による汚れを考慮してのものである。
Dcim0939/DSC_8449.

海上保安学校に配属されている「あおば」、船体は赤色に塗られている。




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新規作成日:2005年5月7日/最終更新日:2005年1月18日